恵比寿で芝居を見た後、夜も遅かったがバイクで走っているとだんだん風邪っぽさがなくなってきたので、ちょっと足を伸ばして羽根木公園までバイクを走らせた。羽根木公園では梅祭りが開催中で28日までと幕には書いてあった。肉まんをかじりながら梅の花を眺める。梅の花は白い雪のように、そのつぼみや小さな花を枝につけて、枝の間から見える月がとてもよく似合う。低い樹は、力強くうねり、踊っているようにも見える。いや、実際踊っているのだ。歌を詠もうとしたが、この日本独特の美しさはなかなか歌にならない。去年も同じことを考えていたような気がする。とりあえず腹が減ったのでバイクまで戻って、通りまで出てイヤフォンを耳に突っ込んで右左、どちらに走り出そうかと思った矢先目に飛び込んできたのが猫。しかし何か様子が変だ。猫は倒れている。頭から血を流して、道路の真ん中で、タクシーはそれを避けるように走っていた。猫の足がびくっと動いた。バイクを止めて近くに歩み寄ると、もう体はほとんど動いていない。口から大量の血を流している。目が変だ。体は温かい。とりあえず脇の土の上に寝かせた。ほとんど死んでいる。近くにいた青年が警察に電話しましたと言う。そうですかと返す。死んだ。猫は死んだ。暖かくなって、ちょっとはしゃいで走り回っていたのかもしれない。恋をしていたのかもしれない。その瞬間だけは通りを走っている車を憎んだ。警察はこないだろう、公園まで戻って静かな場所を探した。昔この近くに住んでいたので、猫おじさんが餌を与えていた場所は知っていた。その場所まで猫を運んだ。泣いた。車も使うし、猫も好きだ。ただ車は憎んでも、猫を憎んだことはない
February 25, 2010